新聞の一面に、患者がカルテの開示請求をしてコピーを病院から貰う際に払う文書料にばらつきがあり、そのばらつきが合理的な手数料や人件費から逸脱していると考えられるケースが紹介されていました。

普段病院にあまりかからない私からすると、それほど気にならない話題でした。しかし、例えば交通事故にあって後遺症が残った場合や、四肢切断などの障害が残った場合は障害者手帳や障害年金の申請をする際に、病院から診察記録を取り寄せることになるでしょう。そういった弱ったときに常識から逸脱した高額の文書料を請求されたら、弱り目にたたり目でしょう。

そして、病院というところで「この請求はおかしくないですか?」と聞く勇気のある人は少ないと思います。よくある勘違いとして、診断書、意見書などの医師が書く文書料は各種健康保険の適用外で実費です。健康保険が適用されずに驚く方が多いです。

診断書などは開業医の先生だと五千円〜二万円が相場でしょうか。この程度の金額ならまだ納得出来ますが、新聞記事で障害年金の申請をしようとした人は、約30年分のカルテ約400枚の開示請求を行った際に10万8千円の請求をされたそうです。一度は支払いをしたものの、疑問に思い医療情報の公開を求める市民団体に相談したそうです。その団体に相談して質問状を医師に送ったところ、約8万8千円が返還されたそうです。結局は約2万円の文書料になったということです。

確かに400枚ものカルテをコピーすることは用紙代、プリンターのインク代、人件費がかかるのである程度高額にはなるのはわかります。しかし、10万超えの請求というのは行き過ぎでしょう。約2万円の文書料というのは手間賃や消耗品のコストを考えれば納得できる金額です。

問題はこの10万超えの請求をされた方が誰にも相談せずにそのままにしておいたら、泣寝入りになってしまったということでしょう。そもそも、厚労省の地方厚生局は何をしていたのでしょうか。地方厚生局という組織は一般人に馴染みがありませんが、病院の不正などを監視する役目を担っている組織です。

文書料については医師や病気経営者の裁量に任せられているとはいえ、厚労省は「実費を勘案した合理的な範囲の手数料」と指導しています。普通の一般人は、病気や怪我をして病院から請求された金額が高額でも、地方厚生局に相談しようとは考えないと思います。それほど一般人にとってはマイナーな組織です。

そして、新聞記事になった方は障害年金の申請のためにカルテの開示請求をしたとのことですが、障害年金の申請というものは申請したから必ず通るというものではありません。障害年金の審査に疎い医師が書く診断書は、ハッキリと言ってしまえばアテにならないこともあるのです。

障害年金の申請を勤務医時代に多くの経験を積んで開業した医師と、勤務医時代に殆ど障害年金の申請に携わらなかった医師とでは天と地ほど差があります。障害年金の診断書を書き慣れた医師ですら通るかどうかわからない、微妙なラインの申請もあります。

それなのに、10万超えの請求を出す病院があるという事実に愕然としました。医は仁術ではなく、医は算術とでも言わんばかりで、ドラマのドクターXで西田敏行さんが演じていた悪徳医師のようです。

もちろん患者のためにと、医は仁術と心得ている良心的な先生の方が圧倒的に多いでしょう。そういった先生達からすると、こういった同業者は迷惑千万でしょう。

ただ、どんな職業でも一定数は不届き者が紛れ込むものです。それを防ぐためには、カルテコピーや診療情報の開示請求に対して、厚労省はもっと具体的な指針を示すべきだと思います。値段の目安をある程度決めない限り、こういった高額請求は今後も起こるでしょう。

私たち一般人に出来ることは、病院から不当と疑われる高額請求を受けたら、専門機関や市民団体などに相談することです。一度支払ってしまうと返還を求めることは非常に困難です。支払う前に相談する、もっと言えば開示請求をする際に文書料がいくらになるか見積もりを出してもらうなどの自衛策が必要です。

弁護士や、障害年金なら社会保険労務士、社会福祉士、精神保健福祉士に相談するなど、外部の専門家を頼ることも必要ですね。医師によっては他の外部の専門家の介入を嫌がる先生もいるので難しいところです。いきなり診察などに外部の専門家を同行させるのではなく、「外部の専門家と連携したいと考えているのですが、先生はどうお考えですか?」と医師に対して説明をしてアポイントメントを取りましょう。騙し討ちのように士業の人を連れていくと人間関係がこじれてしまいます。

カルテの開示請求なんて縁がないと考えずに、明日は我が身だと思ってこういった医療情報で知識を得て私たち患者も賢くなる必要があると思います。脱毛ラボ お試し